がん防災マニュアル:制作秘話② がん専門医 押川勝太郎先生(下)

更新日:8月2日

このシリーズはがん防災マニュアルの制作に裏方のメンバーのご紹介と思い入れについてご紹介するシリーズです。第二回目は押川先生の続きです。患者さんの幸せと医療の関係とは? (第一回目はこちら




4.「小さな行動」だけでできること ~ささやかなセルフケアのアイデア


野北(以下、N):現在がん治療中の方に、一番伝えられたいことは何ですか?

押川先生(以下、先生):何が一番つらいと言ったら「不安」なんですよね。

「恐怖」というのはちゃんと対象物がはっきりしているからまだ怖いものがどこいるかわかるけど、「不安」というのは対象がはっきりしていないので、考えれば考えるほど不安になっていく。

その不安を解消するために、一番大事なのは「行動すること」。すぐには出来ない方もいらっしゃるかもしれないけれど、動いてみる事で解消する不安もあるんですよね。


たとえば、日記を書くだけでも良いんです。人間の短期メモリーには限界があり、頭の中で考えていても思考が空回りするだけです。不安なことを1番から3番まで考えていても、4番目を考えているうちにもう1番目の事は忘れていますから‥‥(笑)。

自分の不安が「どこに」「どのジャンルで」存在するか、ちゃんと書いて整理することで「思考が前進する」というメリットがあるんですよ。

他にはYouTubeを見る・質問する、もちょっとした行動です。チャットや書き込みをできるようになったうつ病の方もいらっしゃいましたし。

とにかく具体的かつ主体的に動くことが重要で、もしうまくいかなかったとしても「この方法では分からなかったというのが分かる」という意味では大きな前進だと、いうことですね。

大学生24歳時のラグビー部のころ

N:先生ご自身では不安への対処はどうですか?

先生:若年の時は、いろいろ錯誤して自分で編み出しましたね。大人になってからいろんな本を読んで、あれは良かったんだと再確認したりね。


N:メモを取ることもされていたんですか?

先生:僕の場合はメモじゃなかったんですよね。一人でぶつぶつでした。しゃべる事が、実は思考が言語化されて頭が整理されます。